著者
高田 健二 川村 大伸
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.47-60, 2018-07-15 (Released:2018-08-15)
参考文献数
40

近年外国人労働者や留学生は増加傾向にあり,多くの企業で外国人労働者の雇用ニーズが高まっている.本稿では,離職意思,役割ストレッサー,および組織的支援の構造化を目的として,日本国籍と中国国籍の大学生アルバイト従業員を対象に2母集団分析を行った.役割ストレッサーの構成概念である「仕事の量的負担」と「役割葛藤」が,職務満足の構成概念である「全般的満足感」に負の影響を与えること,「役割葛藤」と「全般的満足感」の影響間に「知覚された組織的支援」の負のモデレータ効果があることを示した.2国籍間に大きな違いは見られず,大学生アルバイト従業員の過剰な仕事量や職務の矛盾を調整することで,国籍を問わず離職意思を低減できることが新たな知見として得られた.