著者
高田 敬子 松平 登志正 山下 公一 上地 陽子 友田 幸一
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.266-272, 2000-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

感音難聴350耳を対象に67-S語表を用いて語音弁別検査を行い, その結果をもとに, 聴覚域値別 (10dBステップ) に, 域値上各レベルで語音明瞭度がその耳の最高明瞭度であった割合 (最高明瞭度達成率) を求めた。 最高明瞭度達成率が最大であったレベルは, 感覚レベル (本研究では語音聴力レベルと純音検査の平均聴覚域値レベルとの差) で表すと, 平均聴覚域値レベルが10dB台では50dB, これから平均聴覚域値レベルが10dB上昇するごとにほぼ5dBずつ低下し, 70dB台では15-20dBとなった。 これらの結果は, 一般の感音難聴に語音弁別検査, 補聴器適合判定を行う場合に, 明瞭度が最大となる語音レベル (最適語音レベル) を推定する一つの目安となるものと考えられた。