- 著者
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             右田 光史郎
             
             高濱 結花
             
             高萩 康
             
             杉山 尚弥
             
             菊池 圭祐
             
             松石 昌典
             
             沖谷 明紘
             
          
- 出版者
- 公益社団法人 日本食品科学工学会
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.3, pp.127-138, 2012-03-15 (Released:2012-05-24)
- 参考文献数
- 25
- 被引用文献数
- 
             
             
             5
             
             
          
        
        市販の和牛,交雑牛,乳牛および輸入牛(豪州産)の皮下脂肪(SF)と筋内脂肪(IF)について,固相マイクロ抽出(SPME)した加熱香気成分を比較した.その結果SFでは,和牛はアルデヒド,アルコール類が,交雑牛ではアルカン,芳香族化合物類が,輸入牛はエステル類が多かった.和牛香に寄与するラクトン類(γ-あるいはδ-Cn (nは炭素数)と表す)については,和牛ではγ-C7,C8,C9が,乳牛と輸入牛ではγ-C10,C12,δ-C10が有意に多かった.交雑牛のラクトン類組成は乳牛に似ていた. IFでは和牛はアルカン,芳香族化合物,エステル類が多く,輸入牛はアルコール,アルデヒド類が多かった.いずれの牛でもSFとIFで香気成分の構成割合が異なっていた.ラクトン類は和牛のγ-C4,C6がその他の牛より多い傾向にあり,逆にδ-C6,γ-C7,C8,C9はその他の牛より少ない傾向にあった.交雑牛のラクトン類組成は乳牛と似ていた.