著者
今井 長兵衛 高見沢 一裕
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.211-216, 1979-09-15 (Released:2016-09-04)
被引用文献数
1 1

1)非イオン系界面活性剤, polyoxyethylene (6 mol) lauryl ether (PEL)のイエバエに対する殺虫効果を, 室内実験と実地散布により検討した。2)局所施用法のLD_<50>値(μg/♀)は北港群で270,高槻系で260であった。3) 虫浸漬法の死亡率は, 0.3%液に2秒間浸漬すると55%, 320秒間浸漬すると95%であり, 0.6%液に2秒間浸漬すると82%, 40秒間浸漬すると100%であった。4)噴霧試験の死亡率は, 0.3%液を1秒間噴霧すると11%, 15秒間噴霧すると89.2%であり, 0.6%液を1秒間噴霧すると25.7%, 10秒間噴霧すると100%であった。5)実地試験では, 0.1l/秒の割合で散布すると効果がなかった。10l/秒の割合で散布すると, 条件によって50&acd;91%の減少率であったが, イエバエの密度が高いと減少率が低く, 薬量-減少率直線の傾きが小さかった。6)以上の結果から, 殺虫効力, 殺虫機構および実用性を検討し, 補助的な防除手段の1つとして, PELを使用しうると考えた。