著者
横山 友子 杉本 吉恵 中岡 亜希子 田中 結華 高辻 功一
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.24-33, 2014-01-20 (Released:2016-07-08)
参考文献数
30

洗浄剤を使用せずナノミストシャワーを用いた洗髪 (NMS) の有用性について,洗浄剤を用いた洗髪 (TS) と比較するため,健康な成人35名 (31±9歳) を対象に,NMSとTSの両方を実施した.有意水準は5%とした. ATP値では,NMSは洗髪前7381±7171RLUから洗髪後4317±3236RLUに,TSは7763±9977RLUから5921±1782RLUに有意に低下した.皮脂量では,NMSは洗髪前66±30から洗髪後11±9に,TSは93±2から4±2に有意に低下した.ATP値と皮脂量ともに両洗髪間に有意な差はなかった.洗浄感は,両洗髪間に有意な差はなかったが,NMSは「音」「爽快感」「におい」においてTSより有意に劣っていた.所要時間は,TSが8分45秒±1分22秒に対し,NMSは3分52秒±34秒で有意に短かった.使用湯量は,TSが18.5±2.2Lに対し,NMSは4.4±0.8Lで有意に少なかった. 以上より,NMSはTSと同程度の洗浄効果があり,少量の湯と短時間で洗髪できるため臨床での有用性が示唆された.