- 著者
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内野 昌孝
山岸 亨
辻井 良政
高野 克巳
- 出版者
- 日本食品保蔵科学会
- 雑誌
- 日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.47-50, 2003-01-31
- 被引用文献数
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平成7年の新食糧法施行による規制緩和に伴い、輸入米の増加や国内の米流通の多様化が進む中、消費者の美食指向ともあいまって、銘柄米の品質、食味が一層重視されるようになった。その中で、農林水産省は精米の品種、産地、産年の表示を義務づけ、流通体系についても食糧管理法に定めている。しかし、精米の粒形は品種間で類似するため、うるち米ともち米、ジャポニカ種(短粒)とインディカ種(長粒)など大まかな区別はつくものの、近縁の米同士の品種を外観で見分けることは困難である。そのため、流通過程における異品種混入の事故に当たっては、混入したと思われる個体や次世代の草姿、形態的特徴から品種判別が行われている。しかし、これらの判別法は多大な労力と時間が必要になるにもかかわらず決定的な判別根拠とはなっていない。したがって、精米からの簡易で正確な品種判別法の開発が求められている。米は様々な物質から構成されるが、その主要な成分では、品種の差が見られない。一方、DNAは乾燥、酸化や熱に対して安定で、様々な情報を持ち、微量で実験を行える利点がある。その利点を利用して、うるち米では品種判別が進められているが、もち米では少ない。そこでDNAを利用したもち精米の品種判別を検討した。