著者
高鍋 和広
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-12, 2012 (Released:2012-03-01)
参考文献数
72
被引用文献数
14 45

天然ガスの転化技術は現在のエネルギー需要を満たすのに必要不可欠なものである。本総合論文では二酸化炭素によるメタン改質反応とメタンの酸化カップリング反応の二つの反応に関して,反応機構解析に焦点を当て,高い活性かつ長寿命の触媒開発に関する議論を行う。本論文で議論される基礎的見解は工業用触媒の開発に有効な指針を与えるであろう。メタンの二酸化炭素改質はいくつかの天然ガス田に多く含まれる二酸化炭素を反応物として有効利用できる。触媒開発の最大の問題点である炭素析出に関して議論する。メタンの酸化カップリング反応はメタンからエチレンを一つの発熱反応により製造可能にし,プロセスの資本コストを大幅に下げることが期待される。厳密な反応速度解析によるC2の炭化水素最大収率を議論する。