著者
高鍋 彩 白木 裕斗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00270, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
15

本研究は,札幌市立小学校の教員と児童を対象にした質問紙調査により,エネルギー教育の実態,及び,エネルギー教育の方法と児童の省エネ行動,知識習得等との関係を明らかにした.教員向け質問紙調査の結果,すべての学校がエネルギー教育を実施していること,エネルギー教育の必要性を感じていることが確認された.児童向け質問紙調査の回答の平均の差を検定した結果,エネルギー教育に取り組んだ教科や実践方法と児童の省エネ行動,知識,関心との間に有意な関係があることが明らかとなった.学校内の再エネの有無やエネルギー教育の時数の多寡と児童の知識・関心等の間の関係は確認できなかった.今後のエネルギー教育では,時数を増やすのではなく,副教材の利用や能動的な授業の実施など,質の向上についての検討が必要と言える.