著者
田代 峻一 髙嶋 美和 岩田 幸子 森田 正治 髙嶋 幸男
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.125-129, 2019 (Released:2019-02-26)
参考文献数
13

〔目的〕周産期脳障害において早期MRIから脳障害特性評価と予後予測の可能性を調査する.〔対象と方法〕療育施設利用者のNICU退院時頭部MRIより在胎週数別に異常部位の視覚的評価と部位別の径計測,また白質異常部位と臨床所見と対比した.〔結果〕すべての群で大脳白質に異常所見が多く,白質部位別では在胎22~26週群では全体,27~32週群では中間部と脳室周囲,33~36週群では中間部,37~40週群では皮質下に異常が多くみられた.白質の皮質下異常では自閉スペクトラム症が有意に多く四肢麻痺と重度知的障害が多い傾向にあった.脳室周囲異常では軽度知的障害が有意に多く痙性両麻痺が多い傾向にあった.〔結語〕大脳白質異常は在胎週数別で特徴があり,予防的リハビリを実施することは重要である.
著者
吉田 大記 髙嶋 幸男 森田 正治 奥田 憲一 岩田 欧介 岩田 幸子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.737-740, 2015
被引用文献数
1

〔目的〕出生までの在胎期間に関係のある脳病理所見の分析から,特徴を明らかにする.〔対象〕早期産および,正期産で出生した乳幼児剖検例,それぞれ62および29例を対象とした.〔方法〕脳病理所見と診断内容から,在胎週数別の脳病変の特異性を抽出し,積率相関分散分析を行った.〔結果〕大脳白質障害のうち,脳室周囲白質軟化のびまん型と海綿状型は,在胎26週以下の超早期産で多く,広汎型は在胎27週から29週で多く,中間部白質軟化は在胎36週から38週に多く,皮質下白質軟化は39週から41週に多かった.基底核壊死は,在胎24週から26週と在胎39週から41週に分かれて多かった.〔結語〕大脳白質の軟化巣や他の病巣の好発部位が,出生時の在胎期間に応じて特異的である.所見はリハビリテーション早期介入に重要である. <br>