- 著者
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野中 直之
髙田 智仁
西片 由貴
大澤 一輝
栗原 早紀
小林 大泰
染谷 慶子
李 輝
- 雑誌
- 書道学論集 : 大東文化大学大学院書道学専攻院生会誌 (ISSN:13489313)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.3-26, 2015-03-31
手鑑とは、古人の筆跡(手)である古筆切や短冊、色紙等を鑑賞や手習いの手本(鑑)とするために貼り込んだ帖のことを指す。本手鑑は2004年度に大東文化大学図書館に受け入れられたものである。縦38.8センチ、横25.6センチである本手鑑は、表面66葉・裏面66葉の計134葉を収め、聖武天皇、光明皇后から始まる基本的な手鑑行列の配列に従っているものの、貼り替えの跡が多数見られ、また手鑑行列も乱れている点から、製作当初とは所収内容が変更されていると思われる。しかしながら、伝藤原有家筆「墨流切(多田切)」、伝西行筆「曽丹集切」、伝藤原俊成筆「顕広切」などの固有古筆名を有した名物切も所収する。本解題は表面2回・裏面2回の計4回に分けて掲載を予定し、2回目に当たる本年度は表面のうち、後半の「大覚寺殿義俊」から「徹書記正徹」までの29葉を扱うものである。