著者
髙畑 治
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.131-138, 2010-01-15 (Released:2010-02-19)
参考文献数
17

術後鎮痛法における硬膜外鎮痛法の役割について概説し, 新たに臨床導入されたレボブピバカインの特徴を述べた. レボブピバカインは, その長時間作用性とブピバカインに比較して運動神経遮断作用が軽減されていることから, 上腹部手術での有用性を検討した. レボブピバカイン単剤による硬膜外鎮痛では, 施行する椎間により下肢運動機能への影響が異なり, 上腹部手術症例では十分な鎮痛と下肢運動機能を維持することができた. このことは, 周術期における麻薬性鎮痛薬使用量を削減する可能性も意味している. 術後早期離床が重要視される上腹部手術において, レボブピバカインが硬膜外鎮痛薬として優れていることが示唆された.