著者
髙見 三奈 佐藤 幸子 塩飽 仁
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.2_55-2_63, 2009-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
36

本研究は親の仕事および家庭での役割受容と親役割行動が子どもの評価する家族機能と精神的健康に与える影響を検討することを目的とした。小学5年生から中学3年生の子どもと両親1037組を対象に自記式質問紙調査を行い,パス解析により仮説モデルを検討した結果,以下のことが示唆された。父親と母親が家庭での役割を受容していることは子どもの受容を高め,子どもを受容していることは子どもが評価する家族機能を高め,子どもの精神的健康に寄与していた。また,父親と女子,母親と男子の関係では,家庭での役割受容は子どもへの自信ある親役割行動を高め,子どもが評価する家族機能に影響しており,子どもが評価する家族機能は異性の親からより強い影響を受けていた。思春期の親子を支援する際には,看護者は両親の家庭での役割受容の程度をアセスメントし,父親母親それぞれが子どもと自身の力を信じて子どもを受容できるように支援していくことが重要である。