- 著者
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鳴瀬 麻子
- 出版者
- 大妻女子大学人間生活文化研究所
- 雑誌
- 人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
- 巻号頁・発行日
- vol.2013, no.23, pp.242-245, 2013 (Released:2013-12-16)
本報告は,平成24年度大妻女子大学人間生活文化研究所共同研究「昭和初期の博物館資料を用いた介護予防のための回想法の試み」として,回想法の博物館における取り組みの実態調査を行い,また研修会にも参加し,その理論を学ぶ中で考察した回想法の応用について報告するものであり,現時点では試論の段階であることを付記致します.近年,回想法は高齢者の介護・認知症予防の一環として医療福祉施設で取入れられてきており,博物館においても昭和期に用いられてきた日常生活用品を用いて,この回想法を取入れるところが増えてきている.本研究は,医療福祉施設と博物館における回想法の取組みについて調査を行い,またそれによって得られる情報から更なる回想法の応用の可能性を探ることを目的とした.その結果,回想法を応用することによって,シニア世代と若者世代のコミュニケーションを高めることにより,両世代の文化伝播をより円滑に図れること,またさらに,失われつつある諸民族の文化を伝える方法論についても応用することが期待できると考えられることから,博物館が新たな機能を発揮できる可能性が示唆された.