著者
望月 學 鴨居 功樹 寺田 裕紀子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.1410-1416, 2017-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
12

HTLV-1ぶどう膜炎は無症候キャリアに合併する眼内炎症である.主訴は霧視,飛蚊症,視力低下等で,片眼あるいは両眼に生じる.このぶどう膜炎は副腎皮質ステロイド薬によく反応し,視力予後は良好であるが,約30%の患者でぶどう膜炎が反復して起こる.全身合併症としてBasedow病の既往,HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)がみられることがあるが,成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)の合併は極めて稀である.
著者
高橋 任美 杉田 直 山田 由季子 鴨居 功樹 高瀬 博 望月 學 丸山 和一 木下 茂
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1281-1283, 2009-08-15

要約 目的:ぶどう膜炎の発症と経過などに及ぼす月経の影響の報告。対象と方法:ぶどう膜炎で通院中の女性54名に,月経周期とぶどう膜炎の自覚症状について問診を行った。年齢は12~51歳(平均31歳)で,内訳はサルコイドーシス8名,原田病8名,Behçet病7名,特発性ぶどう膜炎26名,その他5名である。結果:9名(17%)が月経がぶどう膜炎の自覚症状に関係すると答えた。うち8名では月経直前から月経期間中に症状が悪化した。54名中8名にぶどう膜炎の発症後に妊娠した経験があり,うち出産した5名全例で出産後にぶどう膜炎が一時的に悪化した。結論:ぶどう膜炎がある女性では,月経周期により女性ホルモン動態が変化し,ぶどう膜炎の発症または経過に影響する可能性がある。