著者
松永 信博 櫨田 操 鵜崎 賢一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.635, pp.113-126, 1999-11-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
46
被引用文献数
1 2

風洞付き二次元造波水槽を用いて強風下の沖合い海域で発生する飛沫量の実験を行った. 白波砕波上の飛沫の粒径分布から飛沫濃度を定量的に評価し, 水表面に作用する風応力との関係を明らかにした. 飛沫量は水面上の摩擦速度と飛沫の沈降速度に強く依存する. また, 画像解析結果から, 飛沫粒径および飛沫の沈降速度は高さの-1乗に比例して減少することが示された. 以上の検討結果に基づき, 高さ10mの平均風速と卓越波の波速と波高から, 白波砕波を伴う実海域における任意の高さでの飛湯濃度を評価できる半経験手法を提案している.
著者
橋本 明憲 高橋 俊樹 松本 健作 鵜崎 賢一
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.147-161, 2012 (Released:2012-12-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

家庭に於ける花粉除去手法として最も普及しているのは空気清浄機である。SubGrid-ScaleモデルとしてCoherent Structure Modelを用いたLES,粒子挙動シミュレーション,及びその解析や可視化を行う自作ソフトウェア群Computational fluid dynamics and Aerosol Motion Property Analysis Suite(CAMPAS)を開発し,縦5 m横5 m高さ2.5 mの室内床面中央に配置した前面吸気上面排気型の空気清浄機による,スギ花粉挙動を解析した。その結果,このモデルの空気清浄機は,室内に一様分布させた花粉の4割程度しか吸入できず,5割強の花粉を落下させてしまうことが分かった。また,空気清浄機の吸気面以外の面である側背面や,部屋壁面に花粉が衝突し,落下しやすいことが明らかになった。空気清浄機の吸気面前方領域に存在する花粉は吸入しやすく,また,後方領域の花粉も排気により再度上昇させることで吸入できることが判明した。空気清浄機が吸入しやすい,吸気面からの方位角θや仰角φが存在する。この角度の値は吸排気モデルに依存すると考えられる。従って,空気清浄機の吸排気仕様を変化させ,花粉を吸入できる領域を拡大することで,花粉除去率のさらなる向上が期待できる。