著者
鶴田 文憲
出版者
筑波大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
巻号頁・発行日
2017

新生児期の脳は、時期領域特異的に精密なRNA代謝が行われている。近年、このプロセスが破綻すると発達障害につながることが示唆されている。これまでに我々は、脱ユビキチン化酵素USP15の機能が破綻すると、スプライソソームの機能低下につながり、グローバルなスプライシングエラーを引き起こすことを見出してきた。本課題では、USP15破綻によって産生されるSparcl1変異体の解析を行い、Sparcl1異常と小胞体ストレスの関連性を発見した。USP15やSparcl1は自閉症の責任遺伝子としても報告されていることから、本研究成果は、RNA代謝のみならず発達障害のメカニズム解明にもつながると期待している。