著者
鹿島 みづき
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.307-318, 2003-06-01

2002年10月にNIIメタデータデータベース共同構築事業のスタートとともに,日本でもメタデータという言葉を耳にする機会が増えた。しかしその意味が本当に理解され,浸透するまでにはまだ時間かかかるように思える。メタデータと図書館目録が今後どのような形で共存していくのかも図書館の現場では未だ不透明な部分が多い。そのような中,米国議会図書館から新たなメタデータの開発が明らかにされた。MODS, Metadata Object Description Schemaである。本稿ではその開発の中心的な人物Rebecca S. Guenther氏によるMODSの紹介論文に焦点を当てながらMODSとはどのようなメタデータなのか,なぜ開発されたのか等を解明する。その際,日本で多くの図書館プロジェクトが採用するダブリンコアとの比較を中心にメタデータの図書館との関わりを整理したい。MODSが主張する,古くて新しい図書館の概念は今後どのように日本を含む世界の図書館コミュニティに受け止められるのか,興味深いところである。
著者
鹿島 みづき
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-10, 2004-08

メタデータはインターネットとその周辺技術の進化と共に、益々図書館にとって意味深い存在となった。メタデータを応用した技術は次世代目録や図書館ポータルの構築になくてはならないものだからである。そして、メタデータにおいても質の高い主題アクセス重要性が"ベイツレポート"など世界の動向からうかがい知ることができる。本稿は国立情報学研究所(NII)メタデータ・データベース共同構築事業でメターデータのメリットを確認することで、世界標準であることの有用性がもたらすLCSHの可能性を考察する。
著者
鹿島 みづき 山口 純代
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.526-537, 2002-10-01
参考文献数
57

図書館パスファインダーは北米において40年以上にわたり,レファレンスサービスの重要な役割を担ってきた。しかし日本の図書館においては確立したサービスとして提供されてきていない。インターネットを含む新しい技術の出現により電子パスファインダーに進歩することで,図書館パスファインダーは利用の可能性が開けてくると考えられる。図書館パスファインダーとは何であるかを紹介し,発達の歴史をたどりながら,OCLC Connexion Pathfinder(旧CORC Pathfinder)作成経験を通して予想される「図書館ポータル」の機能要素としてのその将来像を示した。厳しい現実に直面する私立大学函書館において,これからの新しいサービスになり得るかは国レベルでの環境整備やサポートが不可欠である。