著者
麻 子軒
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.103-116, 2019-06-20 (Released:2020-09-20)
参考文献数
15

役割語をテレビゲームという新しい言語資料を用いて,計量的アプローチで分類・抽出した.『ドラゴンクエスト3』のキャラクターの発話における代名詞や助詞などの特徴量をクラスター分析と特化係数で解析した結果,①格助詞「が/を」,副助詞「は」があまり用いられない「異人ことば」,②代名詞「あたし」,助動詞「ちゃう」,副助詞「ったら/なんて」,接続助詞「けれど」,終助詞「かしら/もの/わ/の/ね」,感動詞「きゃー/まあ/あら」が多用された「女ことば」,③特徴語が観察されない「中立ことば」,④代名詞「そなた/わし」,助動詞「じゃ/とる/である/まい」,副助詞「なぞ」,終助詞「のう/ぞい/ぞ」,感動詞「やれやれ」が多く見られる「老人ことば」,⑤代名詞「おめえ/オレ/あんた」,助動詞「やがる/ちまう/てやる」,副助詞「なんか」,終助詞「ぜ/い/さ」,感動詞「へい/おい」が特徴的な「男ことば」,⑥代名詞「ボク」,終助詞「よう/さ/や/なあ」,準体助詞「ん」,感動詞「わーい/ねえ」が多用された「少年ことば」の6つの分類を得た上,従来では注目されていない副助詞と接続助詞も役割語的要素である可能性を示した.
著者
麻 子軒
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.103-116, 2019

役割語をテレビゲームという新しい言語資料を用いて,計量的アプローチで分類・抽出した.『ドラゴンクエスト3』のキャラクターの発話における代名詞や助詞などの特徴量をクラスター分析と特化係数で解析した結果,①格助詞「が/を」,副助詞「は」があまり用いられない「異人ことば」,②代名詞「あたし」,助動詞「ちゃう」,副助詞「ったら/なんて」,接続助詞「けれど」,終助詞「かしら/もの/わ/の/ね」,感動詞「きゃー/まあ/あら」が多用された「女ことば」,③特徴語が観察されない「中立ことば」,④代名詞「そなた/わし」,助動詞「じゃ/とる/である/まい」,副助詞「なぞ」,終助詞「のう/ぞい/ぞ」,感動詞「やれやれ」が多く見られる「老人ことば」,⑤代名詞「おめえ/オレ/あんた」,助動詞「やがる/ちまう/てやる」,副助詞「なんか」,終助詞「ぜ/い/さ」,感動詞「へい/おい」が特徴的な「男ことば」,⑥代名詞「ボク」,終助詞「よう/さ/や/なあ」,準体助詞「ん」,感動詞「わーい/ねえ」が多用された「少年ことば」の6つの分類を得た上,従来では注目されていない副助詞と接続助詞も役割語的要素である可能性を示した.
著者
山崎 誠 相良 かおる 小野 正子 東条 佳奈 麻 子軒 Makoto Yamazaki Kaoru Sagara Masako Ono Kana Tojo Tzu-Hsuan Ma
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.161-168, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表では、電子医療記録に含まれる実践医療用語の語構成を明らかにするために、独自に設計した語構成要素への分割とそれに対する意味ラベルの付与を行い、意味ラベルによる語構成のパターンを調査した。調査対象は、ComeJisyoSjis-1(111,664語)から、『分類語彙表 増補改訂版』に収録されている語を含む約7,000語から抽出した1,000語である。これらを短単位よりやや長めの語構成要素に分割し、意味ラベルを付与した。意味ラベルは、石井(2007)の複合名詞の語構造把握のための意味分類を参考にしたが、実践医療用語のために独自に設けたものも多い。分析結果から、以下のような点が明らかになった。(1)語構成要素数が2個と3個のものが全体の8割以上を占める。(2)意味ラベルは、「疾患」「身体部位」「状態」「症状」「医療行為」「時間」「生理」の7つで全体の約8割を占める。(3)意味ラベルは、語頭により多く出現するもの(「身体部位」「時間」)や語末により多く出現するもの(「医療行為」「症状」「障害」)などがあり、分布に偏りが見られる。