著者
麻生 美希
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1196-1203, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
52

本稿は、福岡市とその近郊を対象とし、近代における海水浴の発展とそれに関連した海浜リゾートの成立について明らかにすることを目的とした研究である。新聞記事を元に福岡における海水浴場成立の変遷とその特徴を捉え、海浜という好環境を生かした施設の立地について分析を行うことで、津屋崎・福間・奈多・西戸崎・箱崎・伊崎浦・百道は海水浴場にとどまらない海浜リゾートとして成立していたことが明らかとなった。特に箱崎と津屋崎は、多様なアクティビティが可能な初期の海浜リゾートであり、箱崎は福岡の都市の発展に寄与した海浜リゾートとして、津屋崎は産炭地域と深く結びついた娯楽と療養の両側面を持つ海浜リゾートとして成立していたという特色が明らかとなった。