- 著者
-
麻里 久
- 出版者
- 日本マーケティング学会
- 雑誌
- マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.3, pp.104-115, 2020-01-11 (Released:2020-01-11)
- 参考文献数
- 28
ブランドコミュニティ研究にとって,ソーシャルメディアの登場によるコミュニティの変容に対する理解は重要な問題である。ソーシャルメディアをブランドコミュニティとして捉えるべきか,あるいはブランドパブリックとして捉えるべきか,その捉え方はマネジメントの方策に対しても大きな影響を及ぼすものと考えられる。既存研究において,このふたつの概念は特定の状況下で一方のみが形成されるものなのか,あるいは同じ次元で共存可能なものなのか,ふたつの可能性が示唆されてきた。しかし,後者に関する考察はあまり進んでいない。そこで本稿では,既存研究におけるブランドコミュニティとブランドパブリックというふたつの概念をそれぞれ確認しながら,企業が運営するFacebookページにおける消費者行動を観察する。その結果として,企業が運営するFacebookページにおいて,ブランドコミュニティの特性とブランドパブリックの特性がどちらも遍在していることを提示する。