著者
黄 夢荷 串崎 真志
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-5, 2021-03

サイコパシーは,反社会的な特性と行動を含むパーソナリティ障害であり(Hare & Neumann, 2009),他者を操作する特徴がある。先行研究では,サイコパシー傾向は他者操作方略と正の相関がある(下司・小塩,2019)。本研究は,サイコパシー傾向と他者操作方略の関連を,共感性と愛着スタイルの影響という観点から検証した。中国で参加者319名の調査を行った結果,サイコパシー傾向と親密性回避,見捨てられ不安との間に正の相関が得られた。また,パス解析の結果から,サイコパシー傾向の自己指向的反応が高くなることで,すべての他者操作方略が高くなること,親密性回避が高いほど,卑下的操作を行うことも明らかになった。