著者
黄 志良
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.45-52, 1990-06

健康な男子学生77名,先天性盲人高校生3名,および交替制勤務に従事する看護婦4名を対象とし,生活時間調査を行なうとともに腋窩温の連続測定によってその概日リズムを記録し,学生については体格,体力,1日当たりの歩数,および課外運動の経歴をも調べた結果,1.学生について体温リズムのメサーは36.6±0.2℃,頂点位相は18時10分±2時間22分,振幅は0.52±0.16℃ (いずれも,平均土標準偏差〉であった。2.起床時刻と就寝時刻の間には有意の椙関を認めず,睡眠時間は起床時刻よりも就寝時刻に強く規定されていた。3.体温の頂点位相は就寝時刻とは関連せず,起床時刻と有意に相関していた。4.看護婦は夜勤時に昼勤時よりも振幅の低下を認めた。盲人高校生では健常な学生と比べて振幅が減少じでいた。5.1日当たりの歩数と起床および就寝時刻は逆相関じていた。6.体温リズムの振幅は歩数および近年の課外運動め程度と有意に相関し,身体活動の大きい者では振幅も大になるととを認めた。