著者
朝比奈 彩 黒山 祥文 小原澤 英之 今井 昇
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.47-51, 2020-12-01

2020年2月末,新型コロナウイルス検査の院内導入の指示があり,3月中旬に開始した.感染対策チームと連携し,検査部の詳細な感染対策指針を作成した.そして,検査部勉強会を開催し,新型コロナウイルスに対する正しい知識を身につけ,安全な労働環境を整備した.3月末,初めて陽性者を判定し,早期発見から迅速な対応につながったと感謝の言葉をいただいた.2020年10月現在,real time RT-PCR法,LAMP法,抗原定性検査を実施している.また,新型コロナウイルスがどのような影響を及ぼしたのか,臨床検査技師を対象にアンケートを実施した.新型コロナウイルスを取り巻く環境下での検査体制は大変だと感じている技師が過半数であったが,貢献していると実感した技師も同数おり,やりがいを感じられている.他にも,臨床検査技師の認知,感染対策・精度保証について,理解が深まったことは副産物であった今後の課題は,遺伝子検査に対応できる臨床検査技師の育成,外部精度管理,検査室の感染対策の継続などがある.柔軟に対応して,臨床支援を続けていきたい.