- 著者
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林 徳治
黒川 マキ
井上 史子
- 出版者
- 山口大学
- 雑誌
- 教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, pp.133-140, 2003-08-31
本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。