著者
沖 裕貴 井上 史子 林 泰子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.28, pp.166-169, 2012-08-25

2012年3月に公表された中教審大学分科会の審議のまとめ「予測困難な時代において生涯学び続け,主体的に考える力を育成する大学へ」では,学士課程教育の質的転換を促進・強化するために,学位プログラムで育成する能力の明確化と各授業との関連性の明示化,学修時間の増加や学修成果を重視した評価の導入等を喫緊の課題として提示している。これらは2009年の中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」で示された「3つのポリシーの明確化」をよりいっそう推進し,単位制度の実質化につなげ,教育評価の客観性・厳格性・公正性を担保しようとする提言に他ならない。欧米,とくに米国において大学教育に活用されているルーブリック評価は,科目の成績評価(総括的評価)の客観性・厳格性・公正性を増大させるのみならず,日常的な形成的評価やライティング・センター等の他機関との協働学習支援にも有効であると言われている。日本の初等中等教育や米国大学教育等のルーブリック評価の導入事例から,日本の大学教育に導入するために,どのようなルーブリック・テンプレートが利用可能か,あるいはどのような手続きや研修が必要なのかを具体的に検討するとともに,その課題を吟味したい。
著者
沖 裕貴 宮浦 崇 井上 史子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.17-30, 2011-02-15 (Released:2017-03-30)
参考文献数
14

国立大学法人を中心に中期目標・中期計画の第二ラウンドが始まり,多くの大学で学士課程教育の一貫性構築のための3つのポリシー(DP:Diploma Policy,CP:Curriculum Policy,AP:Admission Policy)の明確化が最初に取り組むべき課題として浮上してきた.「カリキュラム・マップ」,「カリキュラム・ツリー」というチェック表をどのように作り,どのように使うのか.また何に役立ち,どのような課題があるのか等,これまでの先進大学での事例に基づいてその具体策を考察する.
著者
沖 裕貴 宮浦 崇 林 泰子 井上 史子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.74-77, 2011-08-20

アメリカではユニバーサル化の進展に伴って1970年代後半から全米の州立大学やリベラルアーツ・コレッジの一般教育で初年次教育が取り組まれ始めた。そして,その初年次教育に欠かせないものがピア・リーダーシップ・プログラム(peer leadership program)である。ピア・リーダーシップ・プログラムとは,成績やリーダーシップ,初年次教育セミナーの経験をもとに選抜された上級生か,訓練を受けた後,主に(1)オリエンテーション・プログラム,(2)リメディアル授業,(3)アカデミック・アドバイジング,(4)寮生活における新入生対象プログラム等に従事するものである。本稿では,アメリカのピア・リーダーシップ・プログラムに類似する活動として,立命館大学を中心に我が国の各大学で取り組まれているピア・サポート制度等の学生参画の制度を紹介し,その定義と分類,活動の内容,成果と課題について報告,検討する。
著者
林 徳治 黒川 マキ 井上 史子
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.133-140, 2003-08-31

本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。