著者
黒木 康之 麻生 勤 中島 和子 堀 駿郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5-6, pp.163-169, 1975-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

今回, われわれは, 22~29才の男子被験者18名を対象にして, 一般道路上の通常走行実験を行ない, 連続記録したEEG, ECGおよびEOG等より意識水準低下の出現傾向を調べた. その結果, 18名中6名の被験者に意識低下を表わす8~13Hzのα波の出現をみた. とくに, 昼食後に最も多く出現した精神的疲労, 慣れの現象による運転意欲の低下および日内生体リズム等が関与し, 一時的な精神弛緩状態を作り出すことが起因と考えられる. したがって, 運転者はこうした要因の複合化しないよう心掛ける必要があり, 運転態様の影響も重視してゆくべきだと考えられた.