著者
黒澤 香
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2つのことを並行して行った。まず、どのような研究が可能かをさぐるため、1年目は韓国で開かれたアジア法社会学会に参加し、発表を聞いた。2年目と3年目はアメリカから研究者を招いた。それをもとに、参加者が一般人であることが不可欠と考え、インターネットを用いたサンプルで、小グループごとに討論を行った。時間のため、今回は裁判官役を加えることができなかった。独立変数はそのときの人数が大と小、および用いた事例AとBで、従属変数は有罪・無罪など。参加者数は合計で100を超えるが、研究のためには少なかったようである。差が統計的有意になったものは考えていたより少なかったが、重要なものが見つかったように思われる。
著者
黒澤 香
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

裁判員制度に関する知識や情報を伝える形での講演・講習会を3年間、毎年10回以上、述べ1500 名を超える受講者を対象に実施した。受講の感想を簡単な質問紙で調査し、その結果を統計的に分析した。また、海外から研究者を招聘し、シンポジウムなどの研究会を開催して一般市民向けの啓発活動を実践し、制度普及に必要な要素を実証的に検討した。
著者
黒澤 香
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.英国および米国を視察し、両国における目撃者による人物同一性確認手続きについて、最新の情報を入手し、帰国後にそれを学会や研究会などで発表した。とくに、英国におけるビデオを用いた確認手続きについて、手続きが行われるところを傍聴し、その利点や問題点などを担当者から聞いた。そして弁護士からも、この手続きに関する意見や感想を聞き取りした。また従来の、実物による同一性確認手続きについても視察した。さらに、米国においては、独自のガイドラインを導入したニュージャージー州の司法省を訪問して担当者と面談し、この改革についての解説と、経過やその後の進展について、聞き取りを実施した。カリフォルニア州における、写真を用いた同一性確認手続きについても、作成の実際を見学し、地方検察庁の担当検事から意見を聴取した。2.ビデオを用いた確認手続きを実施するための、基礎的研究を実施した。具体的には、画像の形態を検討し、映像となる対象者の動きを決定した。また、服装の影響をなくすため、同一の衣装などを検討し、対策を決定した。以上の準備をふまえて、200人弱のビデオ画像を収録した。この作業に際して、どのような形で映像対象者の同意を得るかを検討し、研究者の誓約書と協力対象者の同意書の様式を決定し、十分な同意手続きを実施した。収録された画像については、今後に継続される研究において、ビデオ確認手続きの構築のため、活用される。具体的には、記録保存されている画像をデータベース化して、キーワードを用いて検索するシステムを構築するための研究が継続される。3.以上の研究をもとに、法と心理学会における目撃供述ガイドライン案作成に参画し、とくに人物同一性確認手続きに関する部分の主要部を担当執筆した。