著者
黒田 恭史
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.169-179, 2008-06-30
被引用文献数
2

全国学力・学習状況調査「算数・数学」 (2007年4月実施)は、この間、日本で実施されてきた学力調査の内容に加え、PISA等に見られる数学的リテラシーに関する内容が含まれるものであった。こうした変更は、学力テストの従来の枠組みを越えた取り組みとして一定の評価ができるものであるが、その一方で情報通信社会・国際社会を主体的に生きていくために必要となる能力は何であり、算数・数学教育で扱う内容はどうあるべきかということ自体の議論が欠落しているといえる。本稿では、今回の全国学力・学習状況調査を行為動詞の観点からその特徴を分析し、今後の算数・数学教育の再構築に向けては、内容と方法の両面の再検討が重要となることについて言及する。
著者
葛城 元 黒田 恭史
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3-4, pp.125-139, 2016 (Released:2020-04-21)

高等学校数学においては,科学的思考方法の習得を目指した数学教材の開発を行い,実践していくことが望ましい。オリガミクスは,日本古来の折り紙を発祥にしつつも,現在では様々な領域で発展する科学の一分野となりつつある。オリガミクスを数学教育に活用する利点は,学習者自らが様々な折り方を試行錯誤することができ,実験・検証が可能になることである。本稿では,科学的思考方法の習得を目指したオリガミクスによる数学教材の開発を目的とする。