著者
永井 洋 黒野 泰隆
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.125, pp.14-19, 2012 (Released:2013-07-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1

電波干渉計は、複数の開口アンテナで取得された電波をコヒーレントに干渉させることで、高い分解能を発揮する観測装置である。 1940年ごろから観測実験が始まり、その後1960年に入り、電波干渉計を使った開口合成技術によって、天体の画像を実際に取得することが実現された。現在、世界中の天文学者が夢を見た究極の電波干渉計「ALMA」が南米アンデスに建設されていて、 2011年から部分運用を開始している。これにより、天文学の新たなブレークスルーがもたらされると、多くの天文学者が期待を寄せている。本論文では、電波干渉計の開口合成による像合成技術の原理について紹介するとともに、特にALMAで用いられるこれまでの電波干渉計観測での弱点を克服するだめの新しい広領域の天体画像合成技術について紹介をする。