著者
齋田 将之 関 英一郎 丹羽 浩一郎 呉 一眞 柴田 將 加賀 浩之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.442-447, 2023 (Released:2023-05-22)
参考文献数
8

症例は88歳男性.若年期に完全内臓逆位を指摘されていた.上部消化管内視鏡検査で胃前庭部小彎後壁に20mm大の0-Ⅱc型早期胃癌を疑う病変を認めた.左側臥位では病変の存在する前庭部の伸展が不良であったため,右側臥位で再度内視鏡検査を行った.右側臥位では左側臥位と比べ前庭部の伸展は保たれていた.しかし,右側臥位では通常と異なる術者姿勢と周辺機器配置を要し,ESDにおける繊細な内視鏡操作は困難であることが想定され,実際のESDは左側臥位にて行った.左側臥位におけるESDでは合併症なく一括切除可能であった.完全内臓逆位における早期胃癌に対しESDを行う際,左側および右側の側臥位における術前シミュレーションは有用であると考えられた.