- 著者
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齋藤 孔良
齋藤 玲子
- 出版者
- 順天堂医学会
- 雑誌
- 順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.1, pp.41-48, 2013-02-28 (Released:2014-11-26)
- 参考文献数
- 18
インフルエンザワクチンは抗インフルエンザ薬とともに日本におけるインフルエンザ対策の要になっています. 日本を含む世界の多くの国々で使用されているスプリットワクチンは, ほぼ毎シーズンごとに抗原性が変化するウイルス膜蛋白質ヘマグルチニン (HA) が主成分であるため, 毎シーズンごとに世界規模のインフルエンザサーベイランスと各国の流行状況や抗体保有状況を考慮に入れたワクチン株の見直しが必要です. この総説では, 現在日本および世界各国で使用されているインフルエンザワクチンの性質, ワクチン株が毎年どのように決定されるか, ワクチンの投与量, スプリットワクチン以外の新しいワクチンの開発について説明します.