著者
A Bugaeva
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

アイヌ語は消滅の危機にある。系統関係は不明で、いずれかの古い語族の名残であろう。アイヌ語の研究は、北東アジアの言語史、また人類の知性の多様性の理解において、重要な意義を有する。本プロジェクトでは、フィールド調査によって得られたアイヌ語の音声資料のコーパス構築を進めた。さらに、このアイヌ語資料のコーパスに基づいてアイヌ語動詞範疇に関する類型論的研究を行った。アイヌ語のヴォイス(充当、使役など)についていくつかの論文を発表し、またヴォイス標識の相互作用について研究を行ってきた。本研究はアイヌ研究を世界に広く知らしめ、人類の知的財産へのアイヌ語の言語的・文化的貢献の理解を助けるものになるだろう。