著者
高井 治 APETROAEI NECULAI APETROAEI Neculai
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究では液中での放電現象(ソリューションプラズマ)を利用した金属ナノ粒子(主に銅ナノ粒子)の作製と形状制御を試みた。以下に本年度で得られた具体的成果を示す。(1)作製法ワイヤもしくはロッド電極には銅やタングステンを用い、平板電極に銅を使用した。放電が発生した領域において電極の溶融・蒸発が進行し、誘電液体中、核生成とそれに続く凝縮によりナノ粒子へと変化し液中に分散した。ナノ粒子生成の確認にはTEMを用いた。(2)形状制御誘電液体の種類を変えることで、生成するCuOナノ粒子の形状を制御した。純水中では幅10nm、長さ100nm程の針状構造を確認した。エタノールもしくはエチレングリコール中では銅-炭素合金状を、水-ヒドラジン系では多角形構造やロッド構造の生成を確認した。初期状態の形状は同じだが、最終的には液体自体の特性に因るところが大きいことが分かった。(3)電極表面銅、モリブデン、タングステンなど各種電極の表面形状をSEM観察したところ、放電前後で表面形態が変化していることが分かった。以上より、本年度はソリューションプラズマによるナノ構造制御の基礎的知見を得て、作製プロセスを確立することができた。