著者
浅沼 美里 山本 奬 ASANUMA Misato YAMAMOTO Susumu
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-57, 2018-03-30

この研究では,大学生185名を対象に質問紙を用いて調査を行い,教師からのほめられ経験と叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響について検討を行った。調査では,小学校から現在までの教師からのほめられ経験と叱られ経験,自己効力感を測定した。ほめられ経験の因子分析では,『努力に対するほめられ経験』『能力に対するほめられ経験』の2つが抽出された。叱られ経験の因子分析では,『受動型叱られ経験』『思考型叱られ経験』『脅威型叱られ経験』の3つが抽出された。ほめられ経験,叱られ経験の各下位尺度得点を用いて高群低群を設け, その群要因の自己効力感に対する効果を1要因の分散分析を用いて検討した。これにより,次の結果が得られた。①『努力に対するほめられ経験』『能力に対するほめられ経験』が多いとその後の自己効力感が高まること。②『受動型叱られ経験』が多いとその後の自己効力感は低くなること。③『思考型叱られ経験』『脅威型叱られ経験』はその後の自己効力感には影響しないこと。