著者
小野寺 峻一 山本 奬 川原 恵理子 亘理 大也
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.243-253, 2021-03-31

本研究の目的は,自殺予防教育の一環として,「援助要請の仕方・受け止め方」の心理教育プログラムを作成し,高校生を対象に実施し,その成果を検証することであった.作成したプログラムについて,援助要請の仕方・その受け止め方共に,当初の自信による適用の禁忌はないことが確認された.援助要請の仕方・その受け止め方の自信の向上については,自信の程度が,中程度,低い生徒に対して,効果が認められた.援助要請姿勢のへの変化に関しては,「部活や習い事」は有意に多く,「友達と口論」は有意,「成績が上がらない」は有意傾向であることが示された.高校生にとって,心理教育プログラムは,援助要請の仕方とその受け止め方の自信を向上する傾向にあり,心理面,社会面の問題において,援助要請姿勢を変容させる可能性が示唆された.
著者
小野寺 峻一 山本 奬 川原 恵理子 亘理 大也
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
no.5, pp.243-253, 2021-03-31

本研究の目的は,自殺予防教育の一環として,「援助要請の仕方・受け止め方」の心理教育プログラムを作成し,高校生を対象に実施し,その成果を検証することであった.作成したプログラムについて,援助要請の仕方・その受け止め方共に,当初の自信による適用の禁忌はないことが確認された.援助要請の仕方・その受け止め方の自信の向上については,自信の程度が,中程度,低い生徒に対して,効果が認められた.援助要請姿勢のへの変化に関しては,「部活や習い事」は有意に多く,「友達と口論」は有意,「成績が上がらない」は有意傾向であることが示された.高校生にとって,心理教育プログラムは,援助要請の仕方とその受け止め方の自信を向上する傾向にあり,心理面,社会面の問題において,援助要請姿勢を変容させる可能性が示唆された.
著者
金野 浩二 山本 奬 大谷 哲弘 KINNO Koji YAMAMOTO Susumu OHTANI Tetsuhiro
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.147-156, 2019-03-29

本研究の目的は,教師からのほめを認知しにくい子供のほめの受け取り方について検討し,どのような言葉がけをすることがほめを認知するのに効果的であるのかを明らかにすることであった。そこで,小学校4~6年生に対して質問紙調査を行い,ほめを認知しにくい子供を抽出した。そして,抽出した子供への聞き取り調査を行うことで効果的な支援方法について検討するとともに,担任による実践によって支援方法の効果を検証した。これにより,ほめを認知しにくい子供は「具体的なことや場面についてほめられると認知する」「努力したことなど本人が自覚していることをほめられると認知する」ということが明らかになった。そして,この2点を踏まえ,教師が「子供の自覚と教師の評価を一致させてほめる」ことが支援として効果的であることがわかった。
著者
山本 奬 佐藤 和生 有谷 保 板井 直之 川原 恵理子 三浦 健 若松 優子 YAMAMOTO Susumu SATO Kazuo ARIYA Tamotsu ITAI Naoyuki KAWAHARA Eriko MIURA Ken WAKAMATSU Yuko
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.223-236, 2020-03-31

本研究の目的は,自殺予防教育の一環として,ソーシャルスキルトレーニングの考え方を参考に「援助要請の仕方・受け止め方」の心理教育プログラムを作成し,小学校3年生から中学校2年生までの児童生徒に実施し,その成果を検証することであった。作成したプログラムについて,援助要請の仕方・その受け止め方共に,当初の自信による適用の禁忌はないことが確認された。援助要請の仕方・その受け止め方の自信の向上については,いずれの学年においてもその効果が認められ,特に小学校中学年において顕著であった。困り事・悩み事の対処姿勢については,中学生と小学校高学年において,肯定的変化が認められた。
著者
浅沼 美里 山本 奬 ASANUMA Misato YAMAMOTO Susumu
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-57, 2018-03-30

この研究では,大学生185名を対象に質問紙を用いて調査を行い,教師からのほめられ経験と叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響について検討を行った。調査では,小学校から現在までの教師からのほめられ経験と叱られ経験,自己効力感を測定した。ほめられ経験の因子分析では,『努力に対するほめられ経験』『能力に対するほめられ経験』の2つが抽出された。叱られ経験の因子分析では,『受動型叱られ経験』『思考型叱られ経験』『脅威型叱られ経験』の3つが抽出された。ほめられ経験,叱られ経験の各下位尺度得点を用いて高群低群を設け, その群要因の自己効力感に対する効果を1要因の分散分析を用いて検討した。これにより,次の結果が得られた。①『努力に対するほめられ経験』『能力に対するほめられ経験』が多いとその後の自己効力感が高まること。②『受動型叱られ経験』が多いとその後の自己効力感は低くなること。③『思考型叱られ経験』『脅威型叱られ経験』はその後の自己効力感には影響しないこと。
著者
大谷 哲弘 山本 奬 OHTANI Tetsuhiro YAMAMOTO Susumu
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.85-94, 2018-03-30

本研究は,いじめ発見に資する観点に裏づけされた具体的ないじめの予兆を収集することを目的に行われた。大学生62人に対して,自由記述により,教師には見えにくい,わかりにくいいじめ発見のポイントについて回答を求めた。その結果,325項目が収集された。重複する項目を整理したところ128項目になった。内容分析を行い,いじめの態様として「能動的攻撃」「使役」「忌避」「受動的攻撃」「ストレス反応や失敗している対処およびその結果」にまとめることができた。次にこれらの態様の軸に発見の機会となる場面や学校生活上の注目すべき要点の軸を加えて2 軸でとらえ分類した。収集した項目は,従来の視点では見られなかった具体的な項目が収集できた。
著者
大谷 哲弘 山本 奬 OHTANI Tetsuhiro YAMAMOTO Susumu
出版者
岩手大学大学院教育学研究科
雑誌
岩手大学大学院教育学研究科研究年報 = Research Journal of the Iwate University Professional School for Teacher Education (ISSN:2432924X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.85-94, 2018-03-30

本研究は,いじめ発見に資する観点に裏づけされた具体的ないじめの予兆を収集することを目的に行われた。大学生62人に対して,自由記述により,教師には見えにくい,わかりにくいいじめ発見のポイントについて回答を求めた。その結果,325項目が収集された。重複する項目を整理したところ128項目になった。内容分析を行い,いじめの態様として「能動的攻撃」「使役」「忌避」「受動的攻撃」「ストレス反応や失敗している対処およびその結果」にまとめることができた。次にこれらの態様の軸に発見の機会となる場面や学校生活上の注目すべき要点の軸を加えて2 軸でとらえ分類した。収集した項目は,従来の視点では見られなかった具体的な項目が収集できた。
著者
宮川 洋一 山崎 浩二 名越 利幸 渡瀬 典子 ホール ジェームズ 土屋 明広 田中 吉兵衛 立花 正男 山本 奬 今野 日出晴 川口 明子 田代 高章 藤井 知弘 長澤 由喜子 遠藤 孝夫 MIYAGAWA Yoichi YAMAZAKI Kouji NAGOSHI Toshiyuki WATASE Noriko James M HALL TSUCHIYA Akihiro TANAKA Kichibei TACHIBANA Masao YAMAMOTO Susumu KONNO Hideharu KAWAGUCHI Akiko TASHIRO Takaaki FUJII Tomohiro NAGASAWA Yukiko ENDOU Takao
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.14, pp.219-230, 2015

本研究の目的は,4年次後期に必修となった教職実践演習における模擬授業のあり方を検討し,評価基準を策定することにある。そのうえで,ICTを活用して,組織的に評価を行うシステムを構築し,試験的運用を行うことである。「教職実践演習」は,「教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令」により,平成22年(2010)年度入学生から導入される教員免許必修科目であり,学生が最終的に身につけた資質能力を,大学が自らの養成教員像や到達目標に照らして最終的に確認することを目的としている。中教審による「今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)」(2006)によると,教職実践演習の授業内容は,①使命感や責任感,教育的愛情に関する事項,②社会性や対人関係能力に関する事項,③幼児児童生徒理解や学級経営に関する事項,④教科・保育内容等の指導力に関する事項を含めること,が適当であるとされている。そして,教職実践演習の実施にあたっての留意事項として,授業の方法は演習を中心とすること,役割演技(ロールプレーイング),事例研究,現地調査(フィールドワーク),模擬授業等も積極的に取り入れることが望ましいこと等が示されており1),極めて実践的・実務的色彩の強い内容となっている。