著者
菊池 司 Arif Affendi Bin Jamal 岡崎 章
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.167-175, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
7

近年の急速なコンピュータの性能向上と低価格化に伴い,コンピュータは広く一般の人々に普及し,多くの人々がコンピュータを使用したアート作品,およびコンピュータ・グラフィクス作品を自分の手によって制作でき,また,日常的に目にする機会も多い状況となっている.しかしながら,コンピュータ・グラフィクス作品の多くは,技術的・映像的な話題が中心になることが多く,その作品全体を見つめる視点に欠けている傾向がある.そこで本研究制作では,イスラム文化を代表するカリグラフィーを題材とし,2 次元平面で描かれるものであるカリグラフィーを,3 次元コンピュータ・グラフィクスを利用することにより仮想3 次元空間で表現し,カリグラフィーのさらなる表現力の可能性を探ること,さらにはコンピュータ・グラフィクス作品の中においてイスラムの文化を表現し,作品全体を通して文化的な視点に立った作品を制作することを目的とする.これにより,3 次元化され,さらには動きが付加された,新しいカリグラフィー作品を制作できたことを示す.