著者
Ayade Benedict Bengyoushuye Eneji Anthony Egrinya Olukayode Babajide
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.145-148, 1999-09-01

無機質肥料の利用コスト低減を目的として, 下水汚泥施用による土壌肥沃度改善の可能性をナイジェリア, イバダンにおいて検討した.乾燥下水汚泥は, イバダン大学下水処理プラントで製造し, 10年以上施肥せずに連作していた土壌に施用した.栽培試験は, 下水汚泥の施用量を7段階(0,5,10,15,20,25,30t/ha)とし, トウモロコシ(Zea mays L.)を供試した.土壌の肥沃度の変化を調べるため, 汚泥を施用する前後の土壌分析を行った.下水汚泥の施用は土壌の有機物含量を66%, 全Nと可給態Pを27%, 置換性Caを40%, 置換性Kを31%それぞれ増加させた.トウモロコシの草丈, 茎周長, 子実収量は, 汚泥処理により有意に増加した.土壌養分とトウモロコシの生育を考慮した場合, 汚泥の最適施用量は15t/haと推定された.