著者
Karr Laura L. Coats Joel R.
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.287-290, 1988-05-20
被引用文献数
84

リモネンのチャバネゴキブリ, イエバエ, ココクゾウ, ヒゲナガハムシに対する作用を, 経皮, くん蒸, 経口, 忌避, 残効, 殺卵, 殺幼虫性の生物検定法で検討した.チャバネゴキブリとイエバエにはわずかながら経皮毒性があり, ピペロニルブトキサイドの共力作用も認められた.高濃度蒸気にさらされたチャバネゴキブリとココクゾウは死亡した.経口投与による作用ではチャバネゴキブリの成虫, 若虫に殺虫活性はなく, かえって若虫の成育を促進した.処理した表面の素材の如何にかかわらず, チャバネゴキブリ成虫に対する残効性は認められなかった.高濃度処理でヒゲナガハムシの卵の孵化を抑制し, 土壌中で3齢幼虫に殺虫活性が認められた.以上の実験から限られた範囲ではあるがリモネンの殺虫作用が認められた.