著者
DARRYL Macer
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

様々な職業の人を対象にしたインタビューやアンケート調査が日本で行われた。オープンコメントの分析方法が検討され、書き込み式のアンケートと、対面式のインタビューとの方法の比較が行われた。結果から、社会を構成する全ての人が、科学に関する議論に様々な見解を持って参加できることが示唆された。利益やリスク、道徳的容認度等に重点を置く人には、統計学的傾向があるように思われる。生命倫理の教科書に、どのような内容を含めるか、というプロジェクトが、研究の第二段階として開催された。これは、諸外国における生物・社会科の教師や、生命倫理の専門家との対話を基に行われる。医療倫理への関心が依然として強いように思われるが、環境問題への関心も増加しているようだ。生命倫理教育のためのチャプターが20篇執筆され、現在編集中である。チャプターには次のトピックが含まれる。チャプターが執筆され、改変、編集されるに伴い、それぞれのチャプターが異なる国々で、先生達によって試行される。2004年2月13日から16日にかけて、つくばにおいて専門家や先生方が意見を交わした。オーストラリア、中国、韓国、インド、日本、メキシコ、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、ポーランド、そして台湾の先生方、およびコーディネーターとの意見を交換した。数名の先生が大学および高校において授業を実践した。プロジェクトの主な産物は1)生命倫理教育のための教材2)生命倫理の問題について学校および大学で使用することの出来る教科書3)異なる国々の先生同士のネットワークである。生命倫理教育の成功はいくつかの方法で量ることが出来る。1)生命の尊重が増加2)科学と技術の利益とリスクのバランスを取る3)異なる人々の多様性をより良く理解する。これら全てを達成しなければ成功したと呼べないわけではない。また、教師によって、重きを置くゴールが異なってくるであろう。