著者
高橋 奈津子 Natsuko Takahashi 千葉大学理学部地球科学教室 Department of Earth Sciemees Faculty of Sciemee Chiba University
雑誌
地質学論集 = The memoirs of the Geological Society of Japan (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.87-105, 1997-04-24

北海道, 日高帯の幌満かんらん岩体は, かつてのマントルダイアピルの断片であり, その物理条件の違いから, 様々な段階でのマグマ分離現象が凍結されている。高温部では上昇の最終課程まで部分溶融していたため形成されたメルトとそのメルトが小規模クラックに分離して形成された斜長石に富む脈が見られ, 大規模なメルト分離現象は現在SDWで占められているかつてのmelt conduit周辺部に凍結されている。規模の違いこそあれ, 両者の基本的なマグマ分離メカニズムは, 溶融メルトのクラックへの吸い込みであった。