著者
Ezenwa Ike Jacob Ayuba Francis
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.300-305, 1999-12-01

Enterolobium-ギニアグラス草地の造成時における同伴作物栽培の実用性を調査するため, ナイジェリア南西部のイバダン(北緯7度20分, 東経3度50分, 標高200m)において試験を行った.作付け期間の初期(1997年5月)にEnterolobiumを植栽した後, 4m間隔の並木の間に, 次のような作付け方法で第1/第2シーズンに同伴作物を栽培した.処理1 : 作付無/ギニアグラス及びササゲ(カウピー, Vigna unguiculata(L.)Walp.), 処理2 : トウモロコシ/ギニアグラス及びササゲ, 処理3 : トウモロコシ及びギニアグラス/ギニアグラス, 処理4 : 作付無/作付無.総飼料用収量(トウモロコシ稈及びササゲ残渣, 子実は含まない)は, 処理1及び2でそれぞれ5.35及び5.68tDM/haで最も高く, 処理2では, さらに総穀物収量(トウモロコシ及びササゲ)が1.60t/haで最大であった.処理2及び3では, 同伴作物は, 第2シーズンにはEnterolobiumの成長を有意に抑制した.植栽後36週のEnterolobiumの樹高は, 処理1が最も高く, 次いで4,2,3の順で, それぞれ98.6,94.6,62.6,36.0cmであった.Enterolobium-ギニアグラス草地造成時には, 第1シーズンにはEnterolobiumの単作で, 第2シーズンにギニアグラスとササゲを導入する(処理1)か, 第1シーズンにEnterolobiumとトウモロコシの混作で, 第2シーズンにギニアグラスとササゲを導入する(処理2)作付方法が有利なことが明らかとなった.第1の作付方法ではEnterolobiumの成長が最大に, 一方, 第2の作付方法では総穀物収量が最大となった.