著者
藤川 信夫 Fujikawa Nobuo フジカワ ノブオ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.16, pp.3-15, 2011-03-31

2008年に出版された論文集『教育学における優生思想の展開』は、19世紀末にイギリスで生まれた優生学が、今日に至るまで教育(学)に対していかなる影響を及ぼしたのかを多様な観点から解明しようとする試みである。しかし、その多様性を総括するような論文は、この論文集には収められていない。本論文では、この論文集の著者の一人であり編者でもある筆者の立場から改めて論文集の全体像を提示するとともに、論文集の著者たちの歴史的立ち位置についても(自己)反省を試みることにする。