- 著者
-
Shuya Yoshida
Fumiyoshi Yamashita
- 出版者
- 日本DDS学会
- 雑誌
- Drug Delivery System (ISSN:09135006)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.5, pp.417-425, 2014-11-25 (Released:2015-02-27)
- 参考文献数
- 39
薬物代謝酵素は医薬品の体内からの消失を決定する重要な因子であり、その個体間あるいは個体内での変動が臨床での薬物療法において大きな問題となる。薬物代謝酵素の誘導はリガンド結合型転写因子すなわち核内受容体によって制御され、薬物間相互作用の原因の1つとされている。したがって、臨床では誘導剤と基質薬物の併用の回避、創薬では誘導剤とならない医薬品化合物の創成が必要であり、これらを未然に予測できるシステム開発が現在求められている。本稿では、Cytochrome P450(CYP)、なかでも最も重要な分子種であるCYP3A4を中心に、酵素誘導に係る核内受容体と化合物との相互作用に関する構造活性相関および臨床での薬物間相互作用のin vitro-in vivo補外について紹介する。