著者
笹田 朋孝 Ch. アマルトゥブシン G. エレグゼン L. イシツェレン
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

モンゴル国内で初めてとなる製鉄遺跡の発見に成功し、ホスティン・ボラグ遺跡の発掘調査を実施した。遺跡から出土した土器や木炭の放射性炭素年代(紀元前2世紀~紀元後1世紀)からこの遺跡は匈奴のものである。スラグの分析結果などからこの製鉄技術は同時代の中国とは大きく異なっており、南シベリアなどと類似していることから、草原を西から伝わってきた製鉄技術である。これまで匈奴は製鉄技術を持たないとされてきたが、おそくとも紀元前1世紀のモンゴル草原では、匈奴が遊牧国家として独自の製鉄技術を保有し、システマティックに鉄器を生産していたことが明らかになった。