- 著者
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本郷 一美
GUNDEM CanYumni
GUNDEM Can Yumni
- 出版者
- 総合研究大学院大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2010
本研究は、日本国内におけるプロジェクトとトルコにおけるプロジェクトの2つの部分からなる。日本国内のプロジェクトでは、日本の古代-中世の遺跡から出土したウマのサイズと形態に関するデータを収集し、日本への家畜馬の導入経緯や日本固有の品種の成立過程について明らかにすることを目的とした。関東地方と長野県の古代~近世の遺跡および関西地方(奈良、大阪)の古代~中世の遺跡出土のウマの歯および四肢骨の計測データを収集した。日本の家畜馬の体格の時代的な変遷を考察するための資料が蓄積されるとともに、ウマの生産地である長野県佐久地方出土のウマの形態やサイズと、古代、鎌倉時代、江戸時代にそれぞれ政治や経済の中心でウマが供給され仕様された地域との比較が可能になりつつある。また、多数のウマが出土している長野県、神奈川県、茨城県の4遺跡から出土したウマ遺体の歯にみられる異常な摩耗や、後頭部、脊椎骨、中手骨、中足骨にみられる骨増殖などの病変の有無を観察し記録し、ウマの用途について考察した。トルコの遺跡出土動物骨の資料収集プロジェクトに関しては、総研大に保管されているトルコ南東部の新石器時代遺跡から出土した動物骨の分析を行うとともに、トルコの中央部、南東部の遺跡出土動物骨の資料を収集する目的で海外調査をおこなった。特にトルコ中央部のテペジク遺跡では、野生のウマが出土しており、ユーラシア大陸に生息した野生馬の重要な資料を得ることができた。