著者
大路 樹生 井龍 康文 高柳 栄子 長谷川 精 Dornbos Stephen Q. Gonchigdorj Sersmaa
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

モンゴル西部ズーン・アツのエディアカラ系より藻類化石を発見し、その特徴的な保存状態に関して化学分析と考察を行った結果、バージェス頁岩タイプの堆積岩であることが判明した。またバヤンゴル渓谷のエディアカラ系より垂直構造を持つ生痕化石を発見した。これは海底下4㎝まで潜りU字状の形態をもった生痕で、おそらく前後に伸びた体制と深く底質を掘り込むことが可能な筋肉組織をもった左右相称動物によって形成されたもので、また捕食動物の存在も示唆される。このようにカンブリア紀より前に深く潜る生痕化石を報告し、左右相称動物と捕食動物の存在を示唆する成果が得られたことは、従来の学説を大きく変えるものとなった。