著者
小川 由英 HOSSAIN Rayhan Zubair
出版者
琉球大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

現在我々は、消化管からのシュウ酸吸収に影響する各種物質に関して実験し、ビタミンB6欠乏食で飼育したラットにおいてシュウ酸前駆物質投与による内因性のシュウ酸合成について検討した。カルシウムと同様の実験系で、マグネシウムが消化管からのシュウ酸吸収へ与える影響を検討し、マグネシウム投与により消化管からのシュウ酸吸収が減少し、尿中シュウ酸排泄が減少することがわかった。また我々の動物実験系で内因性のシュウ酸合成に関連するいくつものシュウ酸前駆物質を投与し、実験した。グリコール酸、グリオキシル酸、ハイドロピルビン酸、ハイドロオキシプロリン、エチレングリコールが尿中シュウ酸を増加させる重要なシュウ酸前駆物質であり、そのシュウ酸合成がビタミンB6欠乏食群でより促進され、その原因はグリオキシル酸解毒酵素であるAGTとGRHPRの機能不全によることがわかった。さらに、ビタミンB6欠乏状態にすると尿中クエン酸排泄にも影響がでる。ビタミンB6欠乏は短期間投与でも低クエン酸尿をきたし結石形成危険因子となることがわかった。またビタミンB6欠乏による低クエン酸尿がアルカリの負荷により是正されるかも検討した。た標準食とビタミンB6欠乏食においてアルカリの急速投与が尿中クエン酸に与える影響を比較し、その両者において急速なアルカリ投与が尿中クエン酸を増加させるがその影響は標準食を与えた群がより著明であった。原因としてビタミンB6欠乏は腎のクエン酸排泄を障害する可能性があり、低クエン酸尿の原因として独立したものである可能性が示唆された。過シュウ酸尿症と尿路結石の研究において多くの動物実験系を報告してきた。我々の実験系では3%のグリコール酸食の投与で過シュウ酸尿症とシュウ酸カルシウム結石を形成させることができた。この結石形成動物モデルは再現性がよく、多くの結石形成に関与する可能性のある物質の影響を調べることができ、結石の再発予防法の研究に役立つと考える。