著者
Kuei-Chiu Chen Hin-Kiu Mok
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.90-97, 1988-05-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9

クマノミとハマクマノミの水槽内での発音を記録し, 両種の違いを比較した.pop-chirp発音は優越個体のみにみられ, 咽頭歯をすりあわせることにより発生する.クマノミ類の発音する種類は, 発音しない種類に比べ, ceratobranchial plateと2nd to 4th pharyngobran-chialsに長い犬歯をもっている.クマノミの従属個体は, 体を間断なく動かしながら, 優越個体に対し, 別種の音 (shaking sound) を出す.この音は流体力学的なものであろう.
著者
Hin-Kiu Mok
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.507-508, 1988-02-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

アカタチ科は多くの骨学的特徴をソコアマダイ科と共有することが知られている.しかし, 共有形質として示されてきた特徴は, これら2科に特有ではない.このためソコアマダイ科をアカタチ科に含めることに関しては, 議論の余地があった.これら2科の骨学的特徴を調べたところ, 前部脊椎骨の上肋骨と肋骨に特異な形質が見いだされた.前部脊椎骨の数個に付く上肋骨と肋骨は基部で癒合する.この形質はスズキ目の他の科では知られておらず, 派生的特徴と考えられるので, アカタチ科とソコアマダイ科は単系統群を形成する.