著者
池田 成一 IKEDA Shigekazu
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
言語と文化の諸相
巻号頁・発行日
pp.349-365, 1999-03-10

さきに筆者は、「『消費社会の思想史』の可能性をめぐって」1)において、消費社会の問題に思想史的立場から本格的に取り組んだ数少ない著作の一つであるコリン・キャンベル『ロマン主義の倫理と近代消費主義の精神』2)を扱ったが、その際には紙幅の不足のために、主にその前半を扱うにとどまった。本稿においては、その後半をなす近代思想史のキャンベルによる再構成を紹介しその問題点を論じてみたい。