著者
堀本 雅章 Horimoto Masaaki 法政大学沖縄文化研究所 Institute of Okinawa Studies Hosei University
出版者
沖縄地理学会
雑誌
沖縄地理 (ISSN:09166084)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-26, 2009-06

沖縄県竹富町にある鳩間島では,過去2度にわたり小学校廃校の危機に直面した.学校存続のために,親戚の子を呼び寄せ,施設の子どもを受入れ,近年は「海浜留学生」を受入れることにより学校を維持している.学校の役割は第一に「教育の場」と考えられるが,調査の結果,「島の存続」,「島の活性化・過疎化させないためのもの」をあげる者が多かった.島外から子どもを受入れることにより廃校にならず,島は明るく活気が出て,子どもたちが島へ与える影響は大きい.同時に,島民や島の自然が子どもたちに与える影響も大きい.近年,少ないながら,鳩間島出身者が戻りつつある.今後鳩間島出身者を含め,人々が定住できるように,鳩間島に合った観光を取り入れると同時に,観光だけに頼らない新たな島の産業の確立が必要である.